ビタミンDと関節リウマチ
2022年2月4日
【論文に触れてみよう!】
ビタミンDと関節リウマチ
リウマチ学の医学誌『Clinical and Experimental Rheumatology』に2016年に掲載された論文 “Vitamin D level in rheumatoid arthritis and its correlation with the disease activity: a meta-analysis1(関節リウマチにおけるビタミンD濃度と疾患活動性との相関:メタアナリシス)”によると、血中ビタミンD濃度は、関節リウマチ(RA)へのかかりやすさや、RAの活動性、つまり病気の勢いと関連していることが明らかとなっています。
これまでにも、ビタミンDの欠乏は自己免疫疾患の発症と関連があり、低いビタミンD濃度はRA発症のリスク因子であると考えられてきました2。
この研究は、RA患者と健常対照者におけるビタミンDの状態、そして血中ビタミンD濃度とRA活動性の関係を調べた15件の研究についてメタアナリシスを行ったもので、1,143のRA患者と963人の健常対照者が対象となりました。その結果、血中ビタミンD濃度はRA患者で有意に低く、ビタミンD欠乏は対照者と比較してRA患者に多く、ビタミンD濃度とRA活動性は逆相関の関係にあることが確認されました。
参考文献
1.Lee YH, et al. Vitamin D level in rheumatoid arthritis and its correlation with the disease activity: a meta-analysis. Clin Exp Rheumatol. 2016; 34: 827–833.
2.GATENBY P, et al. A: Vitamin D deficiency and risk for rheumatic diseases: an update. Cur Opin Rheumatol. 2013; 25: 184-91.