ビタミンDとインプラント – solar-d

2024/06/10

カテゴリー:STUDY

ビタミンDとインプラント

国際医学誌『Journal of Clinical Medicine』に2021年に掲載された論文 “Impact of the 25-Hydroxycholecalciferol Concentration_and_Vitamin D Deficiency Treatment on Changes in the Bone Level at the Implant Site during the Process of Osseointegration: A Prospective, Randomized, Controlled Clinical Trial(25-ヒドロキシコレカルシフェロール*濃度とビタミンD欠乏症治療がオッセオインテグレーション過程におけるインプラント部位の骨レベルの変化に及ぼす影響:前向き無作為化対照臨床試験)”によると、血中ビタミンDレベルが適正に保たれている人では、インプラント手術後のインプラント周囲の骨レベルが高くなることが明らかとなっています。

この研究は、インプラント手術が適応となった122人を対象としたもので、研究対象者は血清25-ヒドロキシコレカルシフェロール濃度が適正よりも低く術後にビタミンD投与を受けなかったグループ(A群)、血清25-ヒドロキシコレカルシフェロール濃度が適正よりも低く術後にビタミンD投与を受けたグループ(B群)、血清25-ヒドロキシコレカルシフェロール濃度が適正なグループ(C群)のいずれかに割り付けられました。インプラント手術当日、6週間後、12週間後にインプラント周囲の骨レベルを測定した結果、B群とC群の12週間後の骨レベルは6週間後よりも有意に高く、B群の骨レベルはA群より有意に高いことが示されました。

インプラントと骨が一体化する過程において、ビタミンDは重要な役割を果たしていると考えられ、実際にアメリカでは、インプラント手術の際に血中ビタミンD濃度を測ることが一般的なのだそうです。

*25-ヒドロキシコレカルシフェロール:ビタミンDが肝臓で代謝されて生じる物質で、体内のビタミンDレベルを知るための指標として用いられています。

参考文献

Kwiatek J, Jaroń A, Trybek G. Impact of the 25-hydroxycholecalciferol concentration_and_vitamin D deficiency treatment on changes in the bone level at the implant site during the process of osseointegration: a prospective, randomized, controlled clinical trial. J Clin Med 2021;10(3).