ビタミンDと関節リウマチ – solar-d

2024/07/29

カテゴリー:STUDY

ビタミンDと関節リウマチ

ビタミンDには免疫抑制作用があり、ビタミンD欠乏と自己免疫疾患との関連性が示唆されていることから、ビタミンDは関節リウマチ(RA)を含む自己免疫疾患の病因に関与する可能性があるとして研究されてきました。しかし、健常対照群と比較したRA患者のビタミンD濃度に関する研究や、血清ビタミンD濃度とRA活動性の関係に関する研究では、結果の一致がみられていませんでした。そこで、今回ご紹介する研究では、個々の研究の限界を克服するために、RA患者における血清ビタミンD濃度とビタミンD欠乏の有病率を健常対照群と比較して明らかにするとともに、疾患活動性との相関をメタアナリシスの手法を用いて評価しました。

【方法】

PUBMED、EMBASE、Cochraneのデータベースを検索し、健常対照と比較したRA患者におけるビタミンD濃度とビタミンD欠乏の有病率、およびRA患者におけるビタミンD濃度と疾患活動性スコア28(DAS28)の相関係数を検討するメタアナリシスを行った。

【結果】

RA患者1,143人、対照群963人を含む15の研究がメタアナリシスに利用可能であった。メタアナリシスの結果、RA群の血清ビタミンD値は対照群に比べ有意に低かった(SMD -0.608 , 95% CI -1.105-[-0.017], p=0.017)。さらに、ビタミンD欠乏の有病率は、RA群が対照群より有意に高かった(55.2% vs 33.2%, _OR_2.460, 95% CI 1.135-5.332, p=0.023)。13の研究では、924人のRA患者を対象に、ビタミンD濃度と疾患活動性との相関を評価した。メタアナリシスの結果、ビタミンD濃度とDAS28の間に有意な逆相関が認められた(相関係数 -0.278, 95% CI -0.393-[-0.153], p=1.8×10-5)。ビタミンDは、RAに対する感受性およびRA活動性に重要な役割を果たしていることが示唆された。

研究者たちは、ビタミンD状態が関節リウマチの病因に直接関与しているかを明らかにするためには、さらなる研究が必要であると述べています。

論文情報

Vitamin D level in rheumatoid arthritis_and_its correlation with the disease activity: a meta-analysis

掲載誌:Clin Exp Rheumatol. 2016 Sep-Oct;34(5):827-833.

掲載日:2016年9月16日