2024/07/29
カテゴリー:STUDY
ビタミンD:日光とサプリメントのどちらから得るべき?
ビタミンDの摂取方法は、食べ物やサプリメントから摂る方法と、日光を浴びて皮膚で生成する方法に大きく分けられます。では、これら2つの方法では、得られる恩恵に違いはあるのでしょうか?
2013年に米国の医学誌『Dermato-endocrinology』に掲載されたレビュー論文によると、日光を浴びた皮膚で生成されたビタミンDは、食事やサプリメントから摂取したビタミンDよりも体内に2~3倍長く留まることが明らかとなっています。
同レビュー内で紹介されている実験において、健康な30代女性が水着を着用して紫外線B波(ビタミンDの生成に必要な紫外線)を0.75 MED浴びた後、168時間にわたって測定した血中ビタミンD3濃度と、その4週間後にビタミンD3を50,000 IU摂取した後、同様に168時間にわたって測定した血中ビタミンD3濃度を比較した結果、紫外線を浴びて生成されたビタミンD3濃度のほうが長く維持されることが示されました(下図参照)。
その理由として、皮膚で生成されたプレビタミンD3が完全にビタミンD3に変換されるまでには約8時間かかり、ビタミンD3が真皮の毛細血管床に入るまでにはさらに時間がかかるため、経口摂取に比べて皮膚で生成されたビタミンD3が循環している時間が2〜3倍長いことが挙げられています。また、皮膚で生成されたビタミンD3は、その100%がビタミンD結合タンパク質と結合する可能性があるのに対し、食事やサプリメントから摂取されたビタミンD3は、カイロミクロンに取り込まれた後、リンパ系、静脈系へと運ばれ、約60%がビタミンD結合タンパク質と結合しますが、残りの40%はリポタンパク質結合画分として速やかに排出されます。
したがって、体内の適切なビタミンD濃度を維持するためには、食事やサプリメントだけに頼るのではなく、日光を上手く生活に取り入れることが重要です。
論文情報
Sunlight_and_Vitamin D: A global perspective for health
掲載誌:Dermatoendocrinol. 2013 Jan 1;5(1):51-108.
掲載日:2013年1月1日
DOI:10.4161/derm.24494